医師が転職する前に知らないと損しちゃう、7つの大切なこと


医師紹介会社

僕が最初に医局を飛び出したときは、インターネットなんてまだまだ普及してなかったし、医局に入ったらちゃんと教授の言うことを聞いて、学位をとって、お礼奉公して、関連病院をグルグル回ってっていうのが、医師の既定路線的に認識されていました。

少なくとも開業したり実家を継いだりするつもりのないフツーの非ブルジョア医師のキャリアパスとしては。

もちろん、今でもそういうのって普通にあるとは思うけど、でもやっぱり、当時とはだいぶん、時代が変わったなぁと思います。

その当時は、医局を飛び出して、医事新報とか昔あったジャミックジャーナルなんかで求人情報を探して勝手に就職するなんていうのは、ヤクザなはぐれ医師だと思われるような風潮も、すごくありました。

僕は結構ちゃんと仕事するし、勉強もするし、患者さんからも職員さんからもそんなに評判は悪くないと自負してるんですけど、それでも、年配の先生なんかと話をすると、どこかしら、「へぇ~、変わってるんだねぇ」的なニュアンスを匂わせる方も多かったです。

でも、前世紀の終わり頃…ウィンドウズ98がでたあたりかな?あの頃から、急激に何か雰囲気が変わっていったように思います。

インターネットがそりゃもう、すんごい勢いで普及し始め、今まで雑誌で探していた求人情報がネットで簡単に探せるようになり、医師の転職支援をしてくれる会社が次々に出てきて、あれこれ世話を焼いてくれるようになっていきました。

初期臨床研修制度も始まって、そもそも医局に入らない人も、たくさん出てくるようになりました。

そんな、今の時代の転職活動は、20年前に比べるとかなり快適です。正直ちょっとうらやましいです。僕も若いころにそんな感じだったらよかったな、と。

…まあ、それでもやっぱり、転職するときに気を付けておかないとみすみす損してしまう、いくつかのポイントは、確かにあります。 そこで、それについて、少し書いておこうと思います。

1 転職活動は一人でも完結できるけど、正直しんどい

僕自身は、医局を出たときの最初の転職活動とその次の転職活動の2回は、完全に一人でやりました。

手順は、求人情報集め → 応募 → 病院見学、面接 → 採用 の順です。

求人情報は、前にも書いた、医事新報とジャミックジャーナルでとりあえず集めました。 昔はこれしかなかったですからね。

なんだか古きよき時代の、ほのかなかほりがしますね(笑)。

それで、いくつか適当に当たりをつけて、書いてあった連絡先に電話をして、面接日を決め、訪問します。

理事長や院長や事務長なんかが対応してくれて、院内を案内して頂いて、まあ、良くしてくれます。

結局、最初の転職のときは、雑誌から得た情報をもとに、4件の病院を見せてもらいました。でも、残念ながら、自分がやりたいこととそれらの病院の求めるものがイマイチ合わなくて、全部、丁重にお断りしました。

それで、さあ、困ったぞ、ということになり、今度は電話帳を使いました。

図書館に行き、自分が通勤できるエリアの電話帳をがさっと借りてきて、めぼしい病院に片っ端からかけてみました。

今度は、電話であらかじめ、自分はこんなことしたいんだけど、できるか、的なことを初めから言っておき、自分の希望とのミスマッチをできるだけ避ける努力をしました。

そしたら意外と、求人雑誌に乗ってなかった病院でも、募集ってあるんですよね。いやホント。

こういうことを実際にやる人はたぶん少ない(ほとんどいない?)だろうから、みんな気づいてないかもしれないけど、大半の病院で、消化器内科なら採用の余地はあるって答えるんですよ(もちろん、どこかの医局色が強いところは別ですが)。

これは、かなり意外な発見でした。

あぁ、求人雑誌に載ってる求人情報って、本当にごく一部だけなんだなぁって、身をもってわかった感じです。

要するに、病院の事務方は、医師不足、医師不足とかいいながら、積極的に求人広告かけるとか、なんにもしてないやん!ってw。

それで、若気の至りもあり、調子に乗って、結局50件位の病院に電話をかけてみて、なんだか良さそうだぞ、と思った病院2件に見学に行き、結局そのうちの1つに決めました。

その病院にはとても世話になり、結局4年ほどいることになりました。

だから、あれだけの労力を払った価値はあったと思ってます。

でも……、正直、いま同じことやれっていわれたら、しんどいなー、というのも事実です。

そういう、求人情報を自分で掘り起こしていくような作業って、なんだか、すごく心が消耗するんですよね。 転職活動してる最中って、焦りもあるし。

だから、表に出ていない情報まで広く調査して、幅広い選択肢を得てから、転職先を決めるっていう戦略は、正しいと思うけど、作業はやりたくない。だれか、やってくれないかなぁ~、ってところです。

ていうか、自分じゃなくてもできるし。

(やってくれるのなら、だけど)奥さんでもいいし、(幅広い情報を持ってるかどうかは別として)MRさんでもいいと思います。

でも、今はソレを仕事にしてる人がたくさんいるんですから、任せちゃえばいいと思います。何でも抱え込むのはしんどいですよ。

2 病院の話だけでは、結局よくわからない

あと、自分一人でやって思ったのは、病院に訪問して、あれこれ案内してもらって、経営陣の先生方とお話しても、結局、病院の実情やら何やらの詳しいことは、よく分からないってこと。

なんでかっていうと、面接日って、面接してくれる先生や職員さんは、基本的にいいことしか言わないんですよね。

だって、医師不足なんだもん。医者が欲しいんだもん。悪いことは言わないですよ。そりゃ。

それに、お給料とか、その他もろもろの条件だって、なんか、オブラートに包まれたような話しか、してくれないんですよね。

「それで先生、今おいくら位お給料とられてます?」とか聞かれて腹の探り合いになったりして。

そもそも他の病院がどうかとか、他の医者がどれくらいもらってるのかとか、自分も正直よく分かってなくて、相場観もなかったから、どう答えるか、ナカナカ難しいところなんですよね。

だから、その辺について、雑誌とか色んなウェブサイトに載っている数字以上の、実際の状況を教えてもらいながら事を運ばないと、なんだか損しちゃうんでないかい?て思うことは、よくありました。

3 意外と自分のこと、分かってなかったりする

仕事についての自分の考えって、たいてい今やってる仕事に引っ張られたりしてるわけね。

でも、何かしら問題があるから、やめて別のところに行きたいと思ってる。

それで、こんな条件がいいな、とか、こんな病院はないかなとか、色々考えてイメージしてみる。

でもね、これが意外と、最初にイメージしてたようなのと違うところに就職しちゃうんですよ。

僕自身、そんなこと、3回ありました。 5回のうち、3回って、自分のこと分かってねーとか思うでしょ?

だけど、うちのカミさん(医者)も、大学の時の同期もやっぱり同じようなこと言ってます。

意外と、自分が知らなかったようなスタイルの病院とか、科目は同じだけど雰囲気とかやり方が自分の想像の範囲と全く異なる病院があるんです。

いい意味でも悪い意味でも。

それで、紹介屋さんから色んな病院やらクリニックを提示されたり面談や見学に行ってみて、初めてそういうことが分かって、オオッ、こんなところがあるのかー、とか、ウエー、こんなのナシでしょーとか思うわけです。

だから、とりあえず自分の知らない選択肢を誰かから色々と提示してもらったり、他人の頭を借りて自分の発想を引き出してもらったりするのって、とても大切です。

だって、現実にそれで、当初の希望とはまるで違うところに就職したりしちゃってるわけだし。案外そんなもんですよ、自分への理解なんて。自分のことは自分が一番知ってる!なーんて、肩ひじ張らなくていいんでない?

4 お金の交渉は、やってもらったほうがよい

あなた、言えますか?僕、1900万以下だったらやらないよ、って。

僕はその辺がちょっと言えないんですよね。性格上。

医学的なこととか、仕事内容の希望とかは割とすんなり話するんだけど。

なんか、お金の要求をするのって、いや、したいんだけど、言いにくいっていうか、なんていうか、ごにょごにょ…w ま、紹介屋さんやらなんやらだと、それそのものが商売だから、その辺を、うまく丸めてくれるのよ。

5 でもね、紹介屋さんに頼むってったって色々あるのよ

今まで、10社くらいの紹介屋さんに頼みました。

小さいところから、大きいところまで、いろいろ。

そうすると、紹介屋さんも、力量っていうか、スタイルっていうか、社風っていうか、いろいろ違うんですよね。実際。

ざっくりイメージ的に言えば、それなりの医者が少数の患者相手に、長期にわたるカルテを追いながらみっちりやってる街のクリニックか、20代30代の若手だらけでチョイと流れ作業的だけど、マンパワーで押し切れる大学病院かの違い。

もちろん、その中間的なところもある。

求人案件の紹介のしかたもちょっと違うみたいで、クリニック型のところは、医者のニーズを起点にして、みっちり時間をかけて調査してから提案してくれるみたいな感じ。

大きいところは、今の時点でそこが把握してる情報(まあ、原理的にちょっと古い情報なんだけどね)を、とりあえずざーっと教えてくれるって感じ。

色んなところを使った感じからすると、1か月以上の時間的余裕があるのなら、クリニック型、2週間後に転職したいって感じのニーズなら、大学病院型に分があるってところでしょうか。

まず、自分にシッカリついてくれる親身な街のクリニックに、今までの流れも把握してもらいながら相談した上で調査をかけてもらい、ソレでもダメなときは、大学病院でCTやらMRIを使いながら精密検査を受けるってのが、いいんでない?と思うけど。

ここ2回の転職で頼んで良くやってくれたのは、クリニック型だとヒポクラ・エージェント、大学病院型だとエムスリーキャリアあたり。

前者はていねい、みっちり。後者はイケイケ、ドンドン、て感じ。理系らしからぬ定性的表現で悪いけどw

6 頼み方にもコツがあるよ

紹介屋さんが自分のことを色んな病院やらクリニックに話すとき、最初にどういう持って行き方をしているのか、担当者の人に聞いてみた。

そしたら、どうも、最初は高めの球を投げてくれてるみたい。

例えば、自分が「5」っていう希望を担当者に話したとすると、病院やらクリニックには「7」くらいで話してくれてる。

それが、色んな交渉を経て、「6」くらいには収まるっていうイメージ?

だから、紹介屋さんの担当者の人には、自分の希望を全部、正直に言っちゃえばいいの。

もしこの時点で自分が高めの球を投げちゃうと、紹介屋さんは病院やクリニックに、更に高めの玉を投げてしまって、暴投になるかもよ。

自分の本音をいっておけば、大抵はソレ以下にはならないから。うまいことできたもんだわ。

あと、後出しで条件を釣り上げていくと、こじれちゃうよ。

前に一回だけやって、パーになっちゃった。いいとこだったんだけどな~。

なので、最初から洗いざらいぶっちゃけておいた方がいい。

それで悪さした担当者は、今までいなかったよ。たまたまかもしれんけど。

あと、担当者と信頼関係ができると、なんていうか、色々頑張ってくれるよ。 逆にあちこち浮気してると、向こうからも、なーんか適当に扱われる。ていうか、扱われた。

オトコオンナの関係と同じようなもんなのかもね。意外と。

知らんけど。

7 今の職場への申し出も、ソツなくやったほうが良いよ

いや、意外と狭いのよ、この業界。

実は最初の転職の時、要するに医局を出るときに、やらかしちゃった。若かったからねw。

鉄則は3つだけ。

  1. 直属の上司に申し出ること。
  2. 退職理由は前向きな内容で。前向きなら、多少のウソは大丈夫。方便って素晴らしい。
  3. 法的に言えば、医者だって普通の労働者だから、辞める2週間前に言えば問題なし。だって、民法にそう書いてるもん。

でもな~、2週間前はさすがにまずいよなー。いや、まずいでしょ。

民間病院に入ってからは、大抵、契約書の上では1か月前か3か月前の申し出をすることになってます。

ときどき、契約前に、6ヶ月前の申し出にしてくれって病院が主張してくるときもあるけど、紹介屋さんが丸めてくれる。

それでも、どうしても書面上でだけは6ヶ月にさせて欲しいって言われたときは、ソレで契約書作っても大丈夫だよ。

だって、たとえ契約書に書いてたとしても、法的には2週間前に申し出ておけば問題ないそうだから。

でも、できるだけ早くに、最低でも1か月前には言ってあげようね。

ほなね。

(参考)

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